終身雇用の考察

終身雇用は日本独特の労働慣行です。その終身雇用について検証したいと思います。

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長期雇用の経済合理性

長期雇用の経済合理性

なお、長期雇用は日本だけの現象ではなく、欧米でも大企業を中心に長期勤続者の比重の高い国や産業はあり、それらの国や産業では「長期勤続を誘導することで、従業員の企業内訓練を高めて熟練技能を形成し、また従業員の企業忠誠心を高く維持することができる」と考えられている。逆にいえば、「従業員がいつ解雇されるかわからない状況では、一企業のために教育訓練を遂げようという意欲は低下する」と考えられている。

さらに、企業が費用を投じて従業員の教育訓練を施してしまっている場合、かりに雇用が過剰になったとしても、将来の需要回復で雇用が不足する可能性があるのならば、すでに教育訓練を施している従業員を雇い続けるのが合理的になる場合がある。むしろその方が、将来の教育訓練費用を節約できるからである。このことを、マクロ経済学の景気循環理論では労働保蔵(labor hoarding)といい、日本だけでなく欧米の雇用の時系列データでもよく観察されている。

以上の点で、長期雇用には一定の経済合理性があり、統計的にも広く認められる現象といえる。

日本の終身雇用にも、長期雇用の経済合理性から企業が自発的に選択している側面はあるが、解雇権濫用の法理の保護を受けることで法的に保障されている側面もあり、単なる長期雇用慣行とは区別した方がよい。

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