終身雇用を支える解雇権濫用の法理
ただし、終身雇用が「期間の定めのない雇用」だからといっても、雇用主はいつでも自由に従業員を解雇できるわけではない。たとえば、雇用主が従業員を解雇し、従業員がその解雇を無効として争う場合、裁判所がその解雇を権利の濫用と認定し、解雇を無効と判決することがある。これが、解雇権濫用の法理である。
解雇権濫用の法理は旧来判例で認められてきたものだが、2003年(平成15年)の労働基準法改正によって、労働基準法第18条の2に明文化された。そこには、「解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と示されている。
日本の終身雇用は、こうした解雇権濫用の法理によって、法的に保護されているといえる。この点で、日本の終身雇用は特段の法的保護のない欧米に比べて特異的である。